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例年通り,詩,小説,古文,論説・説明文の大問4問の出題でした。ここ数年,記述式問題は,決して本格的なものとは言えないものでしたが,本年度は久しぶりに考えさせる出題でした。 一は受験生にとっては意外に読み取りにくい詩ではなかったでしょうか。問二は詩をきちんと読めば解ける問題ですが,結構手間取った受験生が多かったようです。問三は内容把握問題ですが,やや解きにくかったのではないでしょうか。 二は小説です。問一,問二,いずれも易しめの出題でした。問三は日常会話に用いる言葉の能力を試す基本問題。問四は基本的な選択問題。問五の記述問題は,『どういう行為が大人への第一歩なのか』を考えると解きやすい問題です。単なる書き抜きではありませんが,答は比較的明快です。 三は論説文でしたが,内容の読み取りやすい文章でした。問一,問二はいずれも漢字の問題でしたが,問二のAがやや難しかったのではないでしょうか。問三は基本的な選択問題。問四はやや書きにくい記述問題。正答例のように書いた受験生は少なかったと思われます。問五の記述問題は,前半の部分をどこから選ぶか迷った受験生が多かったのではないでしょうか。 四は古文ですが,やや読みにくい文章で,内容をしっかり捉えられた受験生は少なかったと思います。問一〜問三いずれも中レベル以上の難易度で,古文の出来不出来が得点に大きく影響するのではないでしょうか。 気になる平均点ですが,古文と記述問題の難易度上昇により,昨年よりも一割ほど下がり,40点前後になるものと思われます。 |
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現行の指導要領の範囲内で工夫を凝らした力作なのですが, 現行の数学の学習時間や学習内容を考えれば, 受験生にとっては難しい出題だったのではないでしょうか。『本来,数学の問題はこうあるべき』という良問もあるのですが, 出題者の意図と受験生の実際のレベルとの間には大きな開きがあると思われます。平均点も昨年よりも下がり26点前後と予想されますが, その最大の原因は,基本的な問題が少なく,一ひねりした中レベルの問題が多いことと,得点上位者の高得点が望めないことではないでしょうか。出題傾向では, 『三平方の定理』を用いる問題が4問もあり, しかもそのうち3問が『直角二等辺三角形の3辺の比』を用いることという偏りが見られました。また,小問がやや連動気味のものもありました。 1は小問集合です。例年,比較的基本的な問題が出題されますが,今年はやや難しめの問題が多く,ここで時間をとられた生徒も多いのではないでしょうか。問4の確率はやや難しく,問7は基本的な良問です。 2の問1文章が長く,受験生にとっては読み取りにくい問題ではないでしょうか。問題自体は決して難しくないのですが, 得点は低めではないでしょうか。問2は定番の問題です。 3は二次関数の応用問題。問1,問2は何れも基本問題。問3は図形との融合問題です。座標を求め,それから2点間の距離を求めて, 直角二等辺三角形と判断させるのが目的でしょうが,解答した受験生の多くは,比較的正確な座標をかき,図から45°と類推したのではないでしょうか。偶然性を排除するという意味では,やや疑問な出題です。 4は問1, 2がやや連動気味です。問1は『中点連結定理』か『平行線と比』を用いて解く問題ですが,問2の証明問題とともに『相似』に関する出題となっています。証明問題は,証明方法がいろいろあり,仮定から『平行線の同位角は等しい』に気づくと解きやすい問題です。 5の問1は解き方がいろいろありますが,解法の一つは4の問1と同じです。問2,問3は3の問3と『直角二等辺三角形の3辺の比』を用いる問題で, これほど重複するのも珍しいことです。ただ,問3の正答率は限りなく0に近いものと思われます。昨年の5の問2は大阪の私立高校の過去問とほぼ同じ問題で, オリジナリティーに欠けていましたが,今年の問3も『発想の転換,計算の工夫』等で易しく解けるといった良問ではなく,とにかく計算が大変だという問題です。 |
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例年通り,地理,歴史,公民の3分野から大問2問ずつバランスよく出題されました。今年も北海道の地理や歴史に関する出題がありましたが,出題傾向に大きな変化は見られず, 平均点は36点前後と予想されます。 1は『日本地理』に関する出題。問1は基本的な知識を問う記述・選択問題。問2は記述問題。問3は地形図に関する問題。 2は『外国との交流』に関する歴史中心の出題。問1は時代に関する知識を問う問題, 文化に関する問題。問2は記述問題。問3は地図に関する問題。問4は蝦夷地に関する問題。『シャクシャイン』はこれで3回目の出題。問5は写真を用いた問題。 3は『南北・南南問題』に関する公民の出題。問2はアジアの国を表から判断する問題。問3は人口構成に関する問題。問4は環境問題に関する記述問題。問5はグラフの読み取り問題。 4は『世界地理』に関する出題。問1は国を表から判断する問題。問2は時差に関する基本的な選択問題。問3は世界の有名河川に関する問題。問4地図に関する基本的な知識を問う問題。問5は雨温図の読み取り問題。 5は『写真や絵を用いた』歴史の出題。問1は明治時代初期のできごとに関する基本問題。問2は日清戦争と産業革命に関する基本問題。問3は記述問題。問4は世界恐慌に対する各国の対応策に関する選択問題。 6は『国会』を中心とした公民の出題。問1は国会に関する基本的な知識を問う記述問題。問2は衆議院と参議院に関する基本的な知識を問う問題。問3は直接税と間接税に関する選択問題。問4は三権分立に関する基本問題。問5は『男女共同参画社会』を書かせる記述問題。 基本問題を中心として,いわゆる難問を排除した出題であるために,社会離れが叫ばれる中でも,それなりの得点が見込まれるのではないでしょうか。 |
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今年度の理科も,物理・化学・生物・地学の4分野から,『実験・観察』問題を中心に,大問2問ずつ出題されました。 1は『金星の観察』に関する出題で,受験生の多くが苦手とする分野の問題。問1,問2は基本的な問題。問3は『金星の見え方』から太陽・金星・地球の『位置関係』を捉える理解力を求める高レベルの問題。 2は『電流と電圧』に関する出題。問2,問3は『電流』に関する知識,理解力,文章読解力といった総合力を試す良問。 3は『食塩を使った実験』に関する出題。問1は食塩の状態変化,問2は「化学カイロ」に関する実験,問3は溶解度と再結晶に関する問題。溶解度は受験生の多くが苦手とする問題。 4は『金魚を使った呼吸の実験』に関する出題。問1は実験内容から判断させる問題。問2は頻出問題。問3は受験生にとってはやや難しい問題ではないかと思われます。 5は『力・圧力』に関する出題。問1は実験結果が書かれた表の数値を読み取れば解ける基本問題。問2(1)は重力の大きさを求める計算問題,(2)は面積と圧力に関する問題。問2は実験内容をしっかり理解しなければ解けない,難易度が高い計算問題。 6は『食物連鎖』に関する出題。問1は顕微鏡の使い方に関する基本問題,問2は物質の循環からさまざまなことを考察するハイレベルの問題。問3は観察から読み取る基本問題。 7は『銅の酸化』に関する出題。問1はガスバーナーの使い方に関する基本問題。問2は『化学反応式』の基本的な知識・理解力を問う良問。問3は実験結果の処理能力を試す問題。 8は『水滴のでき方』に関する出題。問1は基本的な問題,問2はグラフを読み取る際の, しっかりとした知識・理解力を要するハイレベルな問題。 基本・標準・応用のバランスの取れた出題ですが,受験生の理科の実力を考えると,平均点は30点前後で,昨年並みに30点を下回ることも大いに考えられます。 |
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例年通り,「読む,書く,聞く,話す」の4つのバランスを図った出題でした。新しい出題形式もいくつか見られましたが,大きな変更点はありませんでした。また,対話文も大問2題で,この傾向はしばらく続くものと思われます。 1は『リスニング』の問題。昨年と難易度に大きな変化はありません。ほとんどの受験生はリスニングの学習を積み重ねてきているでしょうから,容易に得点できたことでしょう。 2は『旅行』をテーマとした外国人教師と日本人の生徒との対話問題。問1, 2ともに会話の流れを捉えれば解ける基本問題。問3の内容把握もすぐ後に答が書かれている基本問題。問4は適語補充の標準レベル問題。問5の英作文は, 出題者の意図と生徒のとらえ方にズレを感じる問題。正答例の「I enjoyed 〜ing」を求めるならば,「〜して楽しかった」とするべきでしょう。3にほぼ同じ表現の「it was a lot of fun」があり, これを用いた生徒が多かったと思われます。 3は『幼稚園での体験活動』をテーマとした問題。問1は定番の内容把握選択。問2は適語補充問題ですが,語形変化を伴う点が例年とは異なる出題でした。問3は内容把握問題ですが,直前の文の和訳で済む基本問題。問4は自由英作文。疑問詞を用いた疑問文に対する答を求める問題。 4は『ホームステイ先でのお祭り』での会話をテーマとした『対話文』。問1は適文補充の基本的選択問題。問2文整序の基本問題。問3は問答文による適語補充問題。問4は文の流れを読み取る並べかえ問題。問5は『疑問詞+不定詞』を用いた英作文。 いずれも,英語学習に真面目に取り組んできた生徒にとっては比較的解きやすい問題だったと思います。平均点は36点前後と予想されます。 |
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高校生や大学受験生を教えていて,「中学校でもう少し踏み込んだ学習をしてほしいなあ」と思うのは私だけでしょうか?「ゆとり教育」は未来を背負う若者たちにとって,本当に幸せなことなのでしょうか? 今年の北海道公立高校の入試問題を分析してみると, 『科目間での平均点のばらつきが大きい』, 『数学と理科の学力低下』, この2つが目立ちます。 今年も数学と理科の平均点は5割を割りこみそうです。あれほどの力作である理科も,今の受験生の学力では高得点は望めず,数学に至っては, 4割近くまで平均点が下がる可能性もあります。 この2科目に関しては,『出題者の意図』と『受験生の実力』とのギャップが想像以上に大きいということが言えるでしょう。 また,数学に関して言えば,出題範囲が偏っており,『なぜこのような出題になったのか?』という疑問を持たざるを得ません。昨年の図形問題に関しても,数値を変えただけの出題で,2年連続で『?』です。 もちろん,『難しい問題』,『考えさせる問題』を出すのは構わないのですが,現行の指導要領や学習時間で,それだけの内容を理解できるのか?という疑問がつきまとうのです。 だとすれば,私たち教える側が,現状を再認識し,これまで以上の努力や情熱を持って指導に当たっていかなければならないはずです。そのためにも,子供たちの教育に携わる者の,一層の連携や協力が必要不可欠になっていくことでしょう。 『わかるとおもしろい』,『教えられるのではなく,自ら積極的に学ぶ』, こういう理想的な形にするためには,どうしなければならないか? その答えはやはり,子供たちの教育に携わる私たちの意識の持ち方にあるのではないでしょうか。『子供たちに対する本当の思いやりとは何か?』を常に考えながら子供たちに接していくことによって,その答えを導き出せると確信しています。 |